宗教について 〜 人の生と死を考える 注42

公開: 2023年3月15日

更新: 2023年4月9日

注42. 教会経済力の拡大とプロテスタントの台頭

中世ドイツのキリスト教徒や宗教改革者達は、カトリック教会が信者の倫理的でない行為を許し、信者が天国へ行けるとする「免罪符」を売ったことを強く批判しました。特に富裕な貴族たちがその免罪符を買い、教会から自分達の非倫理的な行為に対する許しを貰うことは、キリスト教の精神に反すると批判しました。このことから、教会が、神と信者の間に入ることには、弊害が大きいとして、教会の存在を否定し、信者が母国語で聖書を自分で読み、信仰を深めるべきであると主張しました。

似たような考えは、イギリスの社会でも生まれ、聖書の英語訳がなされました。ドイツ社会では、カトリックの神父であったルターが聖書のドイツ語訳に取り組み、新しく開発された活版印刷機を使って、安価で売れるドイツ語聖書が製作されました。このことが、ドイツ社会におけるプロテスタント信者の増大に寄与しました。

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